戦国と呼ばれる時代、大歩危には「国境を守る」という重大ミッションがあった。
四国のほぼ真ん中にある大歩危は、背中合わせにある土佐国が阿波国を攻め込もうとすると、まず大歩危を突破する必要があった。
一方、阿波から考えれば、大歩危の警備を固めれば土佐からの侵攻を防げる重要な場所であった。
そこは切ない戦場跡かと思いきや、実は、英雄や村人が英知を結集して大切に守り継いできた平和の村だった。
時代が流れ、およそ450年が経った今、再び「国境を守る」というミッションが現れた。
昔のように刀を振りかざす強者は現れないが、環境問題、人口減少等々、姿を見せない厄介者が立ちはだかる中、「やましろ戦国国ざかい巡りの会」は果敢に立ち向かうのであった。
エイ・エイ・オー!
〜 思わず足を止めたくなる絶景と ここだけ物語が心地よい 〜
四国のほぼまんなか徳島県の最西端にある三好市山城町。
町内を南北に四国三郎吉野川が流れ、それを縫うように国道32号線とJRの土讃線が伸びていく。
吉野川は徳島平野を悠々と流れる姿とは違い険しい地形を窮屈そうに勢いよく流れている。
車窓や列車の窓から見える様子も一変する。
さっきまで四国山地が遠くに見えた山の風景がここへ来ると、見上げるような高さでどんどん目の前に近づいてくる。
吉野川と四国山地が織りなす峡谷美に圧倒されながら、思わず足を止めたくなる絶景がそこに広がってくる。
国の名勝天然記念物の大歩危小歩危やパノラマの星空と雲海が楽しめる塩塚高原もその一つ。
人々が暮らす山里や傾斜地集落にも風情がある。
さらに奥へ分け入ると、国境にある険しい地形や自然環境から生まれた後世に残していきたい生活文化や史跡、伝説が色濃く残っている。
四国の国境を守った山岳武士ゆかりの地や全国的にも稀な妖怪伝説が数残る大歩危妖怪村もその一つ。
現地ガイドから聞く、ここだけ物語もきっと心地よい。
そんな町のあちこちに絶景が楽しめるアクティビティスポットや個性的なゲストハウスやカフェが増えている。
来てみたら意外と心地よい山城町の旅をどうぞ。